戦国自衛隊

戦国自衛隊 半村良

 

戦国自衛隊という、溢れ出るB級感がたまらないタイトル。色物タイトルマイナーメジャーリーガーという感じか?よくわからないけど。
少し前にリニューアルされて映画化もしているが今回読んだのはオリジナル版。

20年以上昔の修学旅行か何かの学校行事、楽しい深夜時間帯。
深夜のテレビ映画で放映されていたので、一時期自分の属する学年では無駄に知名度が高かったりもする。
そのタイトルのインパクトは中学生や高校生にも実に効果的だった。
しかし一方で、誰も良く内容を知らない。タイトルインパクトだけで、誰も中身を見ていない!
楽しい夜中タイムに映画を見ている余裕などはないのは、当然といえば当然。

その後、何度か深夜TVで放映され、序盤は見たことがあるのだが、きちんと全部を見たことはなかったりする。
千葉真一がでてるんだよね…。


で、そんな戦国自衛隊だが実はかなりしっかりとした内容だというのを、最近知り、今回の購読につながったと。

映画の序盤だけだとホント、イロモノだった気がするんだがそうではないらしい。
川の中からザバッと忍者が出てきて自衛官がやられていたシーンと、長尾景虎がやたら陽気なおっちゃん武将ということしか覚えていないのだが…。

 

で、読み始めた戦国自衛隊は非常に面白かった。
中編ということもあり一気に読めた。
トンデモ系イロモノという面は否定しないが、それだけではないSF物としても非常に良い感じだった。

 

自衛隊が近代兵器でバッサバッサと敵をなぎ倒す!

だけかと思っていたらそうではなかった。
近代兵器を使用するためのインフラ作りから、経済、流通その他様々な事柄をif的に、確かな筆で書き記し、著者なりのSF論も展開しつつ、物語を進めていく結構すごい作品だった。しかもこれ初版は昭和50年台。

 

過去のビッグタイトル。侮りがたしという感想結論。
映画は一回、きちんと見ておかなければならないようだ。
続編である福井版は、どーしようかなぁ…。